その1    ヤマメに遊ばれた釣り堀              徳2号
 新潟県の越後湯沢へ家族旅行に出掛け2泊した帰りに、大源太川支流岩ン沢の釣り堀の看板を見つけて、寄ってみた。この2日間期待外れの結果だったため、もう少し私も子供も魚と遊びたかった。
 釣り堀のお兄さんにフライで釣っても良いと言う承諾を得て、さっそく始めた。釣り堀は、ヤマメだけの釣り堀とイワナだけの釣り堀に分かれている。どちらも20p〜25p級が泳いでいる。水は隣の岩ン沢から引いているので、清冽だ。ヒレを痛めないようにコンクリートではなく土を固めて作られた堀で魚たちも居心地が良さそうだ。
イワナはドライでもウェットでも容易に釣れた。堀にそっと近づいても、水面に浮いているイワナたちに変化は無い。一人5尾までと決まっているため、すぐに釣り終わってしまいそうなので、もう少し神経質なヤマメと遊ぶことにした。しかし、この選択が思わぬ時間を潰す結果となった。普段はイワナ以上に水面で遊んでいるヤマメたちだが、そっと堀に足を踏み入れただけで、全部示し合わせたように水面下に潜ってしまう。ドライフライを落としても一尾も出てこようとしない。たまに、来た!と合わせると100分の1の割合いで紛れ込んでいたイワナである。これ程までとは思わなかった、イワナとヤマメの違いに驚かされたのと同時に、絶対に釣ってやる!と闘志を燃やした。
 結局、#14フック、イエローラビットファーのボディ、ゴールドティンセルリブ、パートリッジハックルのソフトハックルフライで3尾のヤマメを釣った。最後にコツを掴んだと確信するまでに1時間かかった。殆ど止水に近い状態のため、渓流で釣るヤマメよりも難しかった。フライを沈めてナチュラルに流してもダメ、口元で上下に小刻みに動かしてもダメ、ヒラを打ったり電光石火の当たりで合わせられなかったりで、暑い真夏の日中に心身共に湯だっていた。開き直ってヤマメの群の中にフライをそっと沈め、しばらくしてヤマメに気づかれないようにそーっと忍び忍び、すーっとフライを引くと、逃がすか!と言わんばかりにガバッ!と来た。この方法で3尾釣った。
息子もヤマメに夢中。
                  岩ン沢の釣り堀
 岩ン沢の釣り堀の御主人と息子さんに色んな話を聞いた。釣り堀にとって一番の敵は鷺と言う鳥だそうで、一度の来襲で一羽が200尾の魚を食べてしまうそうだ。この釣り堀のヤマメは隣の福島県産で、新潟県産のヤマメは海が近いので銀毛になってしまい、釣り堀では増やせないそうだ。夏にアブの大群が飛んで来て、水面に沢山落ちても、ヤマメは全く食べず、イワナは口にはするがすぐに吐き出してしまう。ニジマスだけが喜んで食べている。今日のようにヤマメが釣れる人は珍しく、餌釣りでもエサがハリから落ちて水底に着くと食べるそうだ。お二人ともヤマメとイワナを本当に大事に育てていると感じた。近くにお寄りの際はぜひヤマメと遊んで下さい。冷たいビールやつまみも有りますよ。
私はニヤニヤと笑いながら、「このひにくれ者!」と叫んでいた。