6月下旬〜7月中旬 野呂川
 オウ!クレイジ−!
 
6月の声を聞くと、私は毎年恒例のように芦安村役場に電話して、南アルプスス−パ−林道のバス運行日を調べる。2001年は6月15日から。今回電話をしたのは、いささか目的が違っていた。バスに乗るために問い合わせたのでは無く、バスが運行される前日に野呂川出合(北沢との出合)までの6キロを歩いて入渓しようとたくらんだのである。この計画を聞いた徳1号はニヤリと笑いながら、「いいですね〜」と即答した。もっと凄いのは美永と多摩の釣り人さん。二人ともバスがまだ運行されてないとは知らず、現地の広河原で歩き始める直前に聞いたのに「ふ−ん」と涼しげだ。「この時期よほど物好きで無い限り、あそこまで歩く奴はいない。だから、うぶな大イワナがパッコンパッコン入れ食いだ〜」 いつもなら「縁起でもない!つきが落ちるよ」とすかさず釣る前の禁句と怒られるが、あまりの説得力にみんなニヤニヤと鼻の下をのばしてる。そして疲れを知らない子供のように歩き始め、気が付いたら石小屋橋に到着していた。途中素晴らしい景色を写真に撮ったりすると、あっという間に100メ−トルは引き離される。私よりもクレイジ−が3人もいるのだからH.O.Gの先行きが心配だ。
           

                                           
野呂川本流

 まだ水温が低く・・・
 「石小屋橋」から入渓するのは初めてだったが、前回までの入渓点「出合橋」よりもガレ場が少ない分、気が楽だった。この辺りは岸の岩が大きくせり出していて、進もうとすると高巻きの連続。多摩の釣り人さんと徳1号はすでに見えず、美永が時々200メ−トル先の岩の上で見え隠れしている。3人に先行されているせいなのか、それとも魚の活性が低いのかイワナはなかなか姿を見せてくれない。雪渓も見られるほどで、まだ少しだけ早い気がする。
 去年の秋はイワナがスレてしまって姿は見せてもなかなかハリ掛かりしてくれなかった。その前の7月は、十数年ぶりに来た野呂川の水の清冽さとスケ−ルの大きさ、魚の大きさにすっかりトリコにさせられた。そして今日も”天下の野呂川”は期待を裏切らなかった。昼に水温が上がり、ドライフライにも当たりが出始めた。1尾バラし、1尾釣り上げたところ、下流からエサ釣りの人が二人やって来た。こんな所までよく歩いて来たね〜。
 北沢出合下流に続く瀬が私の一番好きなポイント。東京に帰っても眼を閉じれば真っ先に浮かんでくる風景であり、私の感性にピッタリ合う流れである。幸せ気分も程々に、先行している仲間3人に追いつかなければ・・・みんなの昼飯が私のリュックの中に有るのだ。

            
                         多摩の釣り人さんが野呂川本流で釣ったネットサイズジャストのイワナ  

 見落とされている北沢
 仲間達が本流を上ったのか、北沢へ行ったのか分からないが、私自身が北沢で釣りがしたかったので、ひとまず北沢へ入り、エンテイから林道に上がりみんなを探すことにした。相変わらず北沢下流はみんなが攻めているせいか当たりが無い。林道に上がり探したがいないので、バス停から上流を少し釣ることにした。ここは去年の秋、徳1号がバスの到着時間までの10分弱の間に、渓を走りながら3尾掛けると言う離れ技を見せた場所である。小場所で貧弱な流れなので、穴場になっている。私のロッドには徳1号が秋に釣ったイワナよりも、ふた周り大きい奴が次々にヒットした。バスが通らない時期に歩いて来た甲斐が有った。イワナは23p揃いで先程釣った本流のイワナよりずっしりと太っていた。今度来るときは北沢オンリ−で釣ってみたい。林道に戻るとみんな日向ぼっこしながら腹を空かせて待っていた。いち早く北沢を上った多摩の釣り人さんが、下流部で良型を釣ったそうだ。
 ”行きは良い良い帰りは遠い”広河原には歩いても歩いても中々着かず、行きの3倍ぐらい遠く感じた。 
雪渓の残る6月の野呂川 
林道から見た野呂川