石がヤマメに化けた水無川(南会津・田島)
   4月中旬午後2時頃、国道よりやや上流の浅瀬で、20cm級のヤマメのライズに出会った。バシャッ!と全身を露わにした派手なライズで、すかさずキャストすると、フライの前後左右で一斉にバシャッ!バシャッ!とライズが起こった。どれを釣って良いのかオロオロしながらも、気を取り戻してフライを流すと、スーパーライズの割には爆釣とは行かず、ポツポツと釣れた。水面にはこれと言った虫は見当たらない。落ち着いて考えればライズフォームからして、カディスピューパーのハッチだったのだろうが、突然の出来事に考える余裕も無く、この時期の定番フライ、ブルウィングオリーブを使った。それでも機嫌のの良いヤマメ達は、たまにはその色をカディスピューパーと信じて、銜えてくれたのだと思う。                                                             対岸でキャストする友人と、二人で20尾も釣り上げた頃、ピタリとライズが止んだ。時間にして30分位だったと思う。後でその瀬を渡って驚いた。膝ぐらいまでは有ると思っていた水深が、15cm、足首程である。踏み潰すほどいたヤマメ達の気配は全く無く、キツネにつままれた気分だ。石がヤマメに化けていたのだろうか。この釣りの神秘性が、たまらない魅力だ。
1.2.3!で、ひたすら合わせた鶴沼川(会津・湯野上)
 6月上旬朝から鶴沼川の支流を釣って、夕方にライズ狙いで本流に入った。この2週間程前に同じ場所で、モンカゲロウに出る良型ヤマメのライズに出会ったが、友人に急用が出来て、指をくわえながら東京に帰った。 そのリベンジのポイントは、野仲橋より300m位下流に連なる大淵である。
着水せずに水面スレスレに飛ぶモンカゲロウを良型ヤマメがバシャッ!と反転してくわえている。ポイントまでナチュラルに流しても全く反応は無く、ポイントに直にフライを落とすと、着水と同時に当たりがある。中々合わせられない。仮に合わせられたとしても”合わせ切れ”の可能性が高い。そのうち見破られて、全く反応無し。
      鶴沼川
下流から野仲橋をのぞむ
下流のもう一つの大淵に行くと、今回同行した渡辺君が、すでに23pのヤマメを2尾釣り上げて、私に見せるためにネットに泳がせていた。羨ましがる私の前でリリース。大淵の真ん中で繁盛に起きている小さなライズを、ミッジで釣ったと言う。私も#24のジンジャーハックルだけを巻いたバイビジブルで、ライズ目掛けてロングキャスト。最近はどこの釣り場も魚がスレていて、このパターンのライズは早期の好機以外は釣れる気がしない。と思った矢先にフライが消える!一応合わせると中々の引きだ。ロングレンジの為、フッキングしたヤマメがこちらに向かって走り出すと、ラインが余ってフワッとなる。外れたかと心配しながらラインをたぐると、又々強い引きで安心する。ネットに納めたのは23pのヤマメ。スリリングなロングキャストのミッジフィッシングで、同型を3尾釣った頃、いつの間にかいなくなっていた渡辺君が上流で呼んでいる。行ってみると、27pの良型イワナを下げている。#20の地味でスタンダードなドライフライで、瀬を狙って釣ったそうだ。
 早瀬の至る所で散発的なライズが始まった。見渡す限り、色んな種類のカゲロウのスーパーハッチで、顔にぶつかる程だ。
 暗がりが濃くなる程、ライズも多く派手になってくる。私は足下の瀬にポイントを定め、フライを落とした。すでに、どれが自分のフライだか見分けもつかないので、流れているであろうコースで、バシャッ!と飛沫が上がるたびに合わせると、23〜25pのヤマメが釣れた。
 真っ暗になってもバシャッ!と言うライズ音だけは聞こえるので、その音で合わせて釣り続ける。無数のライズの音に、全て反応するわけにも行かないので、キャストして1.2.3!と数えてピックアップする、反復動作で容易にヤマメが釣れた。闇討ちに良心の呵責を感じ、ティペットが絡まったところで終了とした。豊富な自然の恵みに感謝!