執筆者:「徳」
大門川で好釣してホクホク顔で車に戻ってみると、車内は蒸し風呂状態だった。
正面のウインドウガラスの真下に変人Jさんの携帯電話が6月の太陽の光をもろに浴びてギラギラと輝いていた。
「こんなところに置いとくと壊れちゃうよ」と行った時にはすでに手遅れで、液晶画面は何も映らなくなっていた。
それでも釣れて機嫌の良い変人さんは、さほど気にするでもなくモスバック(徳2号の師匠が経営する喫茶店)へと向かった。
モスバックで釣り談議も一段落したところで、変人さんが思い出したように携帯をテ-ブルの上へ置き、「これどうしたら直るかな-」と言った。
事情を聞いた師匠が突然目を輝かせながら、「うちの冷凍庫に入れてみたら?」と言った。
熱してやられたのだから冷やせば治るかも・・・。単純な発想である。
しかしこれは、釣りの達人的な発想でもある。
押してもだめなら引いてみな、浮かせてもだめなら沈めてみな、自然に流してもだめなら動かしてみな。
すでに釣りモ-ドに思考が染まっている変人さんと私徳2号は、師匠の「的を得たお言葉」に感動してしまってる。
かくして変人さんの携帯電話はモスバックの大きな冷凍庫に数時間眠る羽目となりました。
そして数時間後には見事な金属アイスノンと化したのでした。

私は釣りの達人と呼ばれる方々が釣りの世界を脱すると、少し変わって見られるその根源を垣間見たような気がした。

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